【壱号】
「また無駄なことをしてるのか、源信」

【源信】
「壱号さん……」

【壱号】
「こいつらアヤカシにいくら言葉をかけたって、しかたないだろ? 倒すしかないんだよ」

【源信】
「ですが、絶対にとは言い切れません。もしかすると、わたくしの言葉が届く相手かも知れませんからね」

【壱号】
「ふん、お人よし。……まぁ、ボクはそれに付き合う気はないけど」

ゴゥッと燃え上がる炎。
その源に立つ、紅の少年――。

次々と容赦なくアヤカシを灰に変えていく壱号くんに、源信さんは複雑な表情を浮かべる。

【壱号】
「安倍晴明、壱の式神。またの名を“不知炎(しらぬい)”。 決して消せない炎が、お前の送り火だ!」